移住連ワークショップ in 新潟に行ってきました♪

私、行って参りました! はるばると。移住連の全国ワークショップ in 新潟に。会員の小山泉子さんと一緒に新幹線に乗って日帰りで行って参りました!

JFCネットワークは移住連の女性のプロジェクトチームに入っているものの、なかなかどうして、忙しくて積極的に参加や協力が出来ず、申し訳ない気持ちでいるのですが、頭の中の情報の更新だけはし続けたい、という思いで自分を強いて参加して参りました。

今回はなんといっても、7月9日から実施される改訂入管法・住基台帳法のことに重きが置かれました。改訂入管法の内容については、「移住労働者と連帯するネットワーク・入管法対策会議在留カード異議ありNGO実行委員会」が多言語で冊子を作っています。
http://www.repacp.org/aacp/

全大会で(社)自由人権協会の旗手明さんが「改訂入管法・住基法は何をもたらすか」をお話されました。
国は不正規滞在外国人の滞在者数の一掃を掲げていますが、1993年に298,646人だと言われていた数が、2012年には67,065人までに減少しているそうです。
今回の入管法改訂で、より一層の締め付けを強化し、不正規滞在外国人を日本から一掃したい、と考えているようです。
非正規滞在者の住みにくい社会を作り上げ、徹底したあぶり出しを行っていきたいのだろうと。

これまでは、在留資格がない外国人も外国人登録証を各自治体で作成することができました。
在留資格なし」と書かれたものの、本人はIDを持つことができたのです。しかし、この改正により、非正規滞在者は個人を証明する公的証明がなくなります。

そうなると、どんなことが起きるか・・・というと、(※ここではJFCネットワークの活動に特に関係してくる点のみを挙げます。全部はあまりに長すぎ・・・
関心のある方は、こちらを見て下さいね。http://www.repacp.org/aacp/

◆最低限の権利保障が脅かされる危険があります。
これまでは非正規滞在者であっても、人間としての最低限の権利は保障されてきました。たとえば、教育を受ける権利や母子保健や医療に関するサービスを受ける権利、労働に関する諸法規などです。
でも、こうした最低限の権利保障を受ける時、今まで市町村役場は「外国人登録」があるかないかによってその地域の住民かどうかを判断し権利保障やサービスを提供してきたのです。
しかし、そうした判断基準となるものがない人に対して、これまで通り、自治体が権利保障やサービスを提供できるのでしょうか。
たとえば、子どもが学校に行くことは権利です。
非正規滞在の子どもたちもこれまでは学校に行くことが認められていました。
しかし、個人が特定できない人間に対して、どのようにその子を特定し、学校に入れる手続きをしてくれるのでしょう。
改訂実施後もこれまで通りの権利・サービスが後退しないように市町村や総務省厚生労働省など政府に対し適切に対応するよう求めていく必要があると思います。
JFCネットワークの関わっているケースにも多く非正規滞在の子どもたちがいます。
多くは、日本人の父親を持ち、認知請求をして在留特別許可を求めているケースですが、今後は、学齢期に達した子どもたちが学校に通うための支援をする必要が出てくるかもしれません。

私が参加した「女性」の分科会では、?NPO法人ウィメンズサポートにいがたの西澤真知さんからの報告、?KALAKASANの山岸素子さんから「改訂入管法と移住女性」についての報告、?弁護士の大貫憲介さんから「ハーグ条約の問題点」についての報告がありました。

西澤さんからは新潟におけるこれまでの取組などについて報告があり、「ハーグ条約」批准に向けての流れについて、DV被害者が「犯罪者」となってしまう可能性が大きく、非常に大きな危惧を抱いていると報告されていました。

山岸さんからは「入管法改訂と移住女性」ということで、今回の入管法改訂で特に移住女性にどのような影響を及ぼすのか、という点について報告がありました。話を聞けば聞くほど、今回の改正は国際結婚などで日本に定住している外国人の女性たちにとっては国からの管理の徹底が強化され、女性の権利という視点から見れば大きな後退だと感じました。

特に離婚後の在留資格の更新や変更、別居中、裁判で係争中の日本人の配偶者の女性たちについては在留資格の不安定化が大きく予想され、非常な問題だと感じました。

日本人同士の夫婦だって、いや、世界のどの国であれ、夫婦が一生同じ住居に同居し続けるとも限らず、一生仲睦まじく暮すというわけでもなく、離婚はせずに別居しながら数年・・・、子どもが20才になるまでは離婚せずに・・・、などなど、さまざまな夫婦や家族の生活の在り様があると思うのです。しかしながら、日本人と結婚した外国人女性については、「同居」していなければ、「配偶者」としての「活動」を日本においてしていないと見なされ、在留資格を取り消される、というのは、そこまで夫婦の関係や家族の在り方にまで国が口を出す、ということに、非常な違和感を感じざるを得ません。

大貫先生からは「ハーグ条約の問題点」のご報告がありました。これだけの問題を抱えているにもかかわらず、そんなに急いで批准すべきではないと感じました。

子の連れ去りが問題のようですが、親(特に母親)が子どもを連れて日本に戻ってくるのはよほどの理由があってこそ。特に多くはDVの被害者であるにも関わらず、?子どもの移動や留置=違法だと言える場合ばかりではない、?審理は子どもの福祉により適合しているか、によるべきなのに、ハーグ条約は「子どもの福祉」の視点を置き去りにしている、?子どもの虐待が例外事由になっていない、?DVも例外事由となっていない、?返還後の子どもの福祉が確保されていない、?返還後の適正な審理が保障されていない、?所在捜査や変換の執行が人権侵害的です、 などの問題点を多く抱えていると指摘されていました。

「子どもの福祉が考慮されてない」。これは大きな問題だと感じました。特にアメリカ等の欧米諸国の圧力(に弱い)日本政府は「ハーグ条約」批准に向けて躍起になっているようですが、もっと慎重になるべきだと思います。日本の裁判所は(問題は多いけど)「子どもの福祉をまず考慮する」のが基本姿勢です。離婚後も共同親権である諸外国とは違い、日本は離婚時に親権者を決める単独親権を取ります。

「子どもの福祉が最も大切」。そう思います。両親の離婚後、子どもが同居していない親に会うことは子どもの権利でも一方の親の権利でもあるかもしれません。でも、「どちらか子どもを監護養育するのが最も適切なのか。別れた一方の親に会うことが子どもの福祉の点から適切か」という審理なく、「連れ去り」を違法だと言ってしまっていいのだろうかと感じました。

大貫先生曰く、日弁連ハーグ条約批准に賛成、ってことらしいけど、「なんでかな〜」と思った次第です。賛成している方々が、こうした問題についてどう考えているのか、聞いてみたいと思いました。

1日だけの参加でしたが、有意義な1日となりました♪ (伊藤里枝子)