Bahay Tuluyanの野口さんが来所されました。
フィリピンのマラテ(Malate)にあるストリートチルドレンを支援するNGOのバハイトゥルヤン(Bahay Tuluyan)の野口和恵さんが来所されました。日本に一時帰国されていたので寄ってくださったのです。
フィリピンに行かれた方の中には、フィリピンにたくさんのストリートチルドレンを目にして心を痛めたご経験のある方もいるかと思います。
実は、私も学生時代にフィリピンへ遊学していたとき、このバハイトゥルヤンでボランティアをしていたことがあります。子どもたちと一緒に遊んだり、紙芝居を読み聞かせたり、ラリーに一緒に参加したり。とても懐かしく思い起こしました。
今でも忘れることのできない当時16歳の女の子との思い出があります。私が毎週土曜日にボランティア来るのを本当に楽しみにしてくれていて、「Ate(お姉さん)」と言ってとても懐いてくれていました。彼女の家族はマニラからちょっと離れたところにあるのですが、いろいろな理由があって家族とは一緒に暮らさず、一人家を出て、路上で働くようになった女の子でした。
クリスマスイブ。バハイトゥルヤンの子どもたちはどうしているのかと気になって、夜に訪問したときもありました。その女の子もいました。クリスマスになると家族のもとへ一時的に戻る子どもたちも多いと聞いている中、その子は家族のもとへ帰っていませんでした。
他に10人ぐらいの子どもたちがいたでしょうか。私の突然の訪問をとても喜んでくれ、しばらく歓談した記憶があります。
しばらくして、彼女の姿が見えなくなったため、スタッフに聞いたところ、スタッフたちも探しているとのこと。私は遊学を終えて日本へ帰国しました。翌年、バハイトゥルヤンを再び訪問しその女の子について聞いたところ、スタッフによれば、家族のところで行ってみたら、彼女はマレーシアに行っているとのこと。どうやら家族によって売り飛ばされたらしいのです。とてもショックでした。
毎年、私はバハイトゥルヤンを訪れては彼女のことを聞いていました。いなくなってから、数年後、フィリピンに戻ってきているとスタッフから聞きました。その子は私ととても会いたがっていたそうでした。
こんなことがあってからもう20年。今でも彼女のことを思い出す時があります。私がいたころのBahay Tuluyanがまだ健在で素晴らしい活動を続けていることがうれしいです。今年のスタディツアー(8月3日〜10日)で訪れたいと思っています。
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(伊藤里枝子)