移住連のフォーラムに参加しました!

6月18日(土)・19日(日)と移住労働者と連帯するネットワークの第8回全国フォーラム東海2011に参加してきました。場所は中京大学名古屋キャンパスでした。500名もの参加者があったらしく、すごいですね。

JFCネットワークの関係者からの出席は、4人です。私、伊藤里枝子、スタッフの市原嘗子、阿部エスピー、弁護士の近藤博徳です。それぞれの分科会は、伊藤は女性、市原は反貧困、阿部はフィリピン人、近藤は教育、でした。

場所は名古屋。ちょっと遠い。しかも1泊。とあって、今回は託児もあるとのことで、子連れ参加をしました! (^-^)w 新横浜から新幹線に乗ること約2時間で名古屋。意外と近いですね。新幹線に乗る前に寝てくれた息子は車内ではほとんど寝てくれたので助かりました。

12時前に中京大学に到着。先に行って待っていてくれた嘗子さんと娘の4歳の麦穂ちゃんと合流。物品販売をする場へ直行。今回の物品はこのMLでもご紹介しましたPUSIA PINKさんのアクセサリー類を販売しました。

PUSIA PINKさんは夫からの暴力で現在、息子と一緒に夫のもとを離れ、母子で生活をしています。彼女はとても器用で生活費の少しでも足しになるようにと自分で作ったアクササリー類を売っています。

私たちがフォーラムに参加している間は、嘗子さんが頼んでくれた助っ人の販売員の人たちが頑張ってくれました! ありがとうございます!! まあそこそこ売れたかな。


さて、託児はプロの保育士さんたちが2日で1人300円(きょうだいで500円)というとても良心的な価格でやって下さいました。

さてさて、女性の分科会。参加者は何名だったのかな。30名ぐらいかしら? 
ます、報告は;
1) 移住労働者と連帯する全国ネットワークの女性プロジェクトが2010年8月に全国都道府県と政令指定都市に対して行った「移住(外国籍)女性のDV施策に関する調査」の結果報告(カラカサン:山岸素子さん)
2) ?3.11東日本大震災の被災地の移住女性たち ?関東地方で行政処置として移住女性支援にかかわって(行政書士 大下冨佐江さん)
3) 東海地方の公的な部署でDV被害者支援にかかわって(愛知県内自治体福祉職員 大野さん)
4) 愛知県の民間支援団体が見る公的支援と民間・行政の協同(かけこみ女性センターあいち スタッフ杉戸さん)

1)「移住(外国人)女性DV施策に関する自治体調査と提言」の冊子は300円で購入しました。関心のある方は事務所に来られた時にお見せします。2001年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の方後に関する法律が施行されてから10年。今回の調査を行った目的は、「国による施策や移住女性被害者の顕在化などの10年の変化をへて現在、各地方自治体における移住女性に対するDV施策と支援の取り組みがどうなっているか、また、どのような困難があるかを知り、よりよい支援の方策を探っていけたらと考えた」ためだそうです。

2)大下さんは移住女性のDV被害の特徴として、身体的な暴力(命の危険を伴う)、精神的な暴力(差別的ないじめなど)、経済的な暴力(生活費度渡さない)、法的な暴力(入管手続きを支援しないなど)をあげ、各DVについて説明しました。特に大下さんが強調していたことは、2012年7月に施行予定の新入管法において、日本人または永住者の配偶者である人が、配偶者と6か月以上、同居していない時には、正当な理由がある場合を除いて、在留資格取消の対象になる、という問題でした。

3)レジュメがないので記憶に頼るしかないんですが、印象的だったのは「認知を求めるケースがあった場合、裁判所が最終的にはDNA鑑定を求めることが多く、弁護士費用のほか、その際に高額な鑑定費用を払うことができずに断点することがある」と言っていたことでした。もし、時間があったら私、大野さんに質問したかったのですが・・・。結局時間はなくできませんでした。在留資格のある人の場合の法テラスの利用、在留資格のない人の場合の日弁連の委託援助の利用、DNA鑑定費用についても法律扶助でまかなえるのでは・・・?と。

4)愛知県の多国籍女性のための施策として一時保護対応の多言語通訳対応について話されていました。愛知県は東京や神奈川に次いで外国人の一時保護件数の多いところです。?の冊子にも書かれていますが、通訳の確保に困難を感じている自治体は多いのが現状の中、DVという慎重にかかわる必要がある問題についてはDV専門の通訳を養成することは望ましいですね。通訳研修を自治体ごとでもいいので定期的に行い、そこに専門の弁護士やソーシャルワーカーNGO&NPO職員を研修職員として配置し、DV背景の知識、被害者心理、在留資格などについての講義は必要不可欠だと思います。

さてさて、肝心の討論については、大下さんがご指摘された「2012年7月に施行予定の新入管法において、日本人または永住者の配偶者の人が、配偶者と6か月以上、同居していない時には、正当な理由がある場合を除いて、在留資格取消の対象になる、という問題」について活発に行われました。

これって確かに大きな問題ですね〜。大変です。日本人の夫として日本に来て、夫から暴力を受けて逃げたとして、6か月以上、同居していないと、知れた時には、在留資格が取消になってしまう、ということなんです。「正当な理由」以外は。正当な理由、というのを何を基準にするのか、というのは入管のことですし、まったく不透明ですが、DVを受けた、ということの証明にしても、診断書がある、写真がある、保護された、警察または女性相談センターに相談した、などの証拠がある場合はまだいいとして、何もなく、ひたすら夫の暴力に耐え、逃げてきたケースは多いんです。そうしたケースはどう立証していくのか、等。

私がなるほどと思った意見があります。

なんでもDVにからめていくのは限界があるので、そうではない視点からのアプローチが必要では、というもの。つまり、移住女性の多くは「日本人の配偶者等」という日本人の妻だから、日本にいることを許されているわけなので、女性たちは自分たちの在留資格の安定のためには、夫とできる限り離婚せずにいようとし、精神的、身体的、経済的、法律的ないかなる暴力にも耐えよう、という心理が働いてしまうのです。こうした状況は決して女性として健全だと言えませんね。日本人同士の婚姻だって今や3組に1組が離婚している世の中です。移住女性たちも一人の人間です。自分たちの意思で夫婦の今後、家族の今後を考え、離婚や婚姻を決定するようになるのが自然です。もっと移住女性たちが自立していけるような社会作りを目指すことが支援者である私たちに必要なのだと感じました。

さらに、現在外国人は各地方自治体ごとに外国人登録をして、外国人登録証を持っていますが、それが今後在留カードになります。これは、分かりやすく言うと日本人の住民票のようなもので、外国人登録と違い、同世帯である夫や家族も被害者である女性たちの転居先住所を知ることができてしまいます。

そのため、DV被害者は避難先に住所を移さずに一時保護や自立支援を受けられるような対策をとっていかないと、DV被害者は安心して転居先で暮らしていけません。

また、女性たちが子どもを連れて逃げた場合、6か月を過ぎたら定住者への変更申請はおそらくこれまで通り認められるのだと思います。しかし、女性たちの中には子どもを連れて逃げられなかった場合、子どもがいない被害者もいます。そうしたケースが一番の問題で、たとえば、これまで通り、離婚調停を申し立てたり、勝手に離婚され、親権も夫にいってしまった場合の親権者変更の申し立てや、親権は譲るとしても子どもとの面会交渉の申し立て、など少なくとも夫と協議中のケースについては、在留資格を定住者への変更を認めるようにすべきです。

子どもがいないケースについてはどうなるんでしょう・・・。これまでは、日本にきて夫婦として3年過ぎ、女性に仕事もあり生活の安定をしめせれば、離婚後も在留資格の変更はできていたケースもありますが。6か月以上も「日本人の配偶者としての活動をしていないから」在留資格は取り消します、というのはあまりに乱暴ですね。なんとかせねば、と思います。

さてさてさて、2日目。私たちみな子連れのため、全大会には参加せず、名古屋のシートレインランドに遊びに行ってきました! 
本当は名古屋の真実ちゃんに会う予定だったんですが、フィリピンにいっていて会えず。
埼玉から愛知に引っ越したメイさんと娘の花ちゃん、そして昨年12月に生まれたばかりの優人くんに会ってきました!
花ちゃんは7才。娘と同年です。2009年10月号の「DAYS JAPAN」にも取り上げられたことがありますのでご存じの方もいますね。
夫との話し合いを求めてダバオから母子で自力で来日。愛知と埼玉の弁護士さんにお願いをしながら、短期滞在の在留資格で働くこともできずに生活費の工面に苦しみながらも本当にがんばりました。
そして、最終的には夫と同居を開始し、愛知に引っ越しました。去年12月には弟が生まれた花ちゃん。嬉しそうでした。
メイさんの話を聞けば、一緒に暮らしたら暮らしたで問題はたくさん・・・。
それでも、6歳までお父さんと一緒に暮らせなかった花ちゃんは嬉しいのかな。宿題も熱心に教えてくれると言ってました。
来日したばかりのころ。1枚だけ大切にお父さんの写真を持っていた花ちゃん。
会う人会う人に、

「ねえ、この人、私のパパなの。知らない?」

って当時5歳の花ちゃんは写真を見せながら聞きまわっていたそうです。東大の学生さんたちにメイさんと花ちゃんをつれて講義に行ったことがあるのですが、学生さんたちそのお話しに涙していたのが印象的でした。
来年も笑顔で会えますように・・・。


ん〜長くなりました。それでは、みなさま、ごきげんよう! ☆⌒(*^-゚)ノ~♪see you again♪~ヾ(゚-^*)⌒☆