第1陣、国籍確認訴訟提訴しました!

JFCネットワークがこれまで活動を続けて来てずーっと「おかしい」と考えていた法的問題に「婚内子の国籍喪失」の問題があります。現在の国籍法では「外国で生まれ、出生によって外国籍を取得した日本国民は、出生後一定の期間内に日本国籍を留保するとの届出をしないと、日本国籍を喪失する。」と規定しています。そして戸籍法は、届出期間を「3ヶ月」と規定しています。

JFCネットワークが関わってきたケースのうち、外国で生まれた婚内子(278人)のうち、日本国籍喪失をしている子どもたちは約7割(188人)になります。(2008年度活動報告書より)

第1陣に続き、第2陣はマリガヤハウスで受理したケースの子どもたちを原告として提訴予定です。

マニラ新聞がこの問題を取り上げて下さいました。
http://web.me.com/yoshisake/kokusekihou_kiji/記事1.html

以下、弁護団弁護士の近藤博徳先生からの報告です。
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 日本人とフィリピン人の夫婦の子どもとしてフィリピンで生まれ、いったんは日本国籍を取得したにもかかわらず、国籍法12条の規定によって日本国籍を喪失した子どもたちが、2月2日、東京地方裁判所に、日本国籍の確認を求める訴訟を提起しました。

 国籍法12条は、「外国で生まれ、出生によって外国籍を取得した日本国民は、出生後一定の期間内に日本国籍を留保するとの届出をしないと、日本国籍を喪失する。」と規定しています。そして戸籍法は、届出期間を「3ヶ月」と規定しています。
 原告ら4名の子どもたちは、出生後3ヶ月以内にマニラの日本大使館に出生届と国籍留保の届出をしなかったために、日本国籍を喪失しました。
 けれども、外国で生まれた日本人の子どもの国籍を奪うこの国籍法12条には合理的な根拠がありません。例えば、一昨年の最高裁判決によって、結婚していない両親から生まれた子は、20才までに日本人父から認知され、かつ届出をすれば、日本国籍を取れるのに、生まれたときから日本人の父の子がなぜ3ヶ月で日本国籍を奪われなければならないのか。
 争点はこの一点です。

 この子どもたちはJFCネットワーク・マリガヤハウスのクライアントではありませんが、JFCネットワーク・マリガヤハウスのクライアントにも同様に日本国籍を喪失した子どもは沢山います。
 JFCネットワークの統計では、これまで受理したフィリピンケースのうち、278人が結婚した日本人父とフィリピン人母の間に生まれた子で、そのうち約70%が日本国籍を喪失しています。
 JFCネットワークでもこの問題は以前から議論されていましたが、今回の提訴を受けて、クライアントの中でも裁判に参加したいという声が挙がっています。クライアントの中から手を挙げた人たちを原告にして、第2次・第3次提訴の可能性も検討しています。

 2008年の最高裁判決の子どもたちは、もともと日本国籍をもっていない子ども達でした。けれども今回の原告は、もともと日本国籍をもっていたのです。なぜ国籍を奪う必要があったのか、この点を大いに争ってゆきたいと思います。

弁護士 近藤博徳