国籍取得できました!

1988年9月生まれのミチアイアンくんは日本人とお父さんとフィリピン人のお母さんとの間に生まれました。お父さんは日本で仕事をしながらほぼ毎月のように妻と子どもたちのもとを訪れ、家族と一緒に過ごしていました。ところが、2004年2月にお父さんから国際電話があり、「3月1日にフィリピンへ行くから待っていて」と言ったのを最後にお父さんはその二日後に心臓発作で亡くなってしまいました。父親死亡の連絡は父の親戚から電話で入り、四十九日の供養後にはお父さんのお姉さんが「弟は本当に家族を愛していたから」と遺灰をフィリピンの家族のもとに届けに来て下さったそうです。

ミチアイアンくんは2歳違いのお姉さんがいます。二人とも出生後3か月以内に出生の届出を在比日本大使館もしくは日本の市町村役場に行わなかったために日本国籍を喪失してしまいました。お父さんは子どもたちの出生後、子どもたちの日本国籍を留保すべく、在比日本大使館に足を運んだそうですが、事情はわかりませんが出生の登録ができず国籍留保ができなかったそうです。

ミチアイアンくんのお姉さんは20歳を超えてしまい国籍再取得をすることが不可能な年齢となってしまいましたが、ミチアイアンさんは20歳になる前にどうしても国籍再取得のために来日して日本国籍を取得したいと希望していました。ミチアイアンくんは父の国である日本を訪れ、生前、父の希望していた日本国籍を取得し、父の国、日本で生活をしてゆきたいと希望していたのです。

ミチアイアンくんが来日したのは2008年9月。20歳になる誕生日直前のことでした。法務局からは6ヶ月の住所要件を満たしてないので国籍取得ができるかどうかなんともいえないと言われながらも、その後、家庭訪問やインタビューを経て、ようやく国籍取得ができました。待つこと9ヶ月。長かった〜。この間、「淋しくてホームシックで泣いてしまった」と言っていたミチアイアンくんですが、これからの生活にもたくさんの困難があるでしょうけどきっとミチアイアンくんなら頑張って乗り越えて行ってくれると思います。

漢字名も考えたけど彼が選らんだのはカタカナでした。