国籍確認訴訟勝訴しました!

違憲判決!!
6月4日(水)午後3時から最高裁判所で国籍確認訴訟の判決が言い渡されました。そして、生まれた後に父から認知されても、両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない現在の国籍法は、憲法14条の「法の下の平等」に反すると判断したのです。これにより、結婚をしていない日本人の父親と外国人の母親から生まれた子どもで日本人の父親から認知を受けた子どもたちは、届出により日本国籍を取得することができるようになります。

判決文は最高裁判所のHPで見ることができます。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=02
上記の検索ページで「判決年月日」で「期日指定」にチェックを入れ、「平成」
「20」年「6」月「4」日と入力して、「検索」ボタンを押していただくと、2件
ヒットします。

たくさんの方々から、判決後にお祝いのメッセージを頂きました。本当にありがとうございます。特に、今回の集団訴訟には参加できませんでしたが、同じような境遇の子どもを育てているお母さんたちからのメッセージはうれしかったです。あるフィリピン人のお母さんからは、「おめでとう!ニュースで見て嬉しくて嬉しくて泣いてしまいました。これで自分の子どもも日本国籍が取れるのかと思うと感無量です。」このお母さんは、非婚で日本人男性との間に生まれたフィリピン国籍の長男とその後に結婚した日本人男性との間に生まれた次男と一緒に日本で暮らしています。

2005年4月に地裁に提訴してから3年。この間、子どもたちもとても成長しました。提訴当時はあまり意味を理解していなく、テレビや新聞などで取り上げられてから、学校などでからかわれたりいじめられたりする子どもたちも中にはいました。そうした子どもたちはマスコミからの取材を拒否していたときもありました。それでも、子どもたち自身が自分自身の問題としてだけでなく、同じ問題を抱えている子どもたちの代表なんだという意識を持ち始め、記者会見でも堂々と自分の気持ちを述べるようになり、その姿に感動してしまいました。

また、日頃は母子家庭で喧嘩もすれば、わがまま言っている娘たち/息子たちですが、「お母さんたちに何か言いたいことは?」と聞かれた時に、恥ずかしそうにでもしっかりと「お母さんがこの裁判をおこしてくれなかったら今の私たちはなかった。私たちのために本当に頑張ってくれてありがとう」「日頃は本当に迷惑ばかりかけているわがまま娘だけど、お母さんに本当に感謝しています」などの感謝の言葉をかけていたのにもウルウルしてしまいました。お母さんたちも子どもたちからこんな言葉をかけてもらって涙ぐんでいました。

3年の間、子どもたちもお母さんたちもさまざまな意味で成長しました。そして、何もできないと思っていた一外国人の個人の問題でもみんなで頑張れば問題を解決できるんだ、日本の法律だって変えられるんだ、という大きな達成感と充実感と自信を持つことができました。この判決が、日本に暮らす多くの移住労働者の人たちに力と勇気を与えることができたのであればなお嬉しいです。

弁護団の弁護士の先生方も本当に本当にお疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。「法律」というものが、社会的弱者救済のためにあるべき所以だとしたら、その法律によって、権利を侵害されているものたちの救済はその法律の改正を求めていくほかなく、またそれには弁護士の先生方のご協力がなければ、非常に困難なことでした。

JFCネットワークでは、法律が改正・施行されるまでの約1年ぐらいの間は集中的に同じ境遇にいる在日・在比のケース対応に力を入れていく予定です。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。